実証実験の進捗状況

開始報告

Dr.JOY株式会社 開始報告-01
Dr.JOY株式会社 開始報告-02

Dr.JOY株式会社は2024年2月1日(木)より、都立墨東病院においてプロジェクトを開始いたしました。

2024年4月から、医師の働き方改革が始まり時間外労働の上限規制が実施されることを受け、医療機関では質・安全が確保された医療の提供に向けて、適切な労務管理の体制整備が求められています。

プロジェクトでは、墨東病院の医師に、Dr.JOY社のビーコン機器を用いた勤怠管理システムを活用いただき、出退勤記録の自動打刻や時間外申請の省力化を通じて、医師や人事労務担当者の労務管理業務の負担軽減効果を検証してまいります。

本プロジェクトは2024年3月上旬まで実施いたします。

最終報告

都立墨東病院において行われていた、Dr. JOY株式会社のプロジェクトが2024年3月に完了しました。

Dr. JOY株式会社は、同社が提供するビーコン機器を用いた勤怠管理システムを活用して、墨東病院における医師の出退勤打刻の自動化及び正確な勤務実態の把握による適切な労務管理を実施しました。効果の検証にあたっては、体験した医師及び人事労務担当者にアンケートで評価いただき、医師及び労務管理業務に係る業務負担の軽減効果を検証しました。

まず、医師の勤怠打刻結果の確認や修正に係る労務管理業務の負担軽減については、回答した医師の64%が業務負担が軽減すると評価しました。加えて、出退勤の検知や打刻の正確性も評価されました。

医師の勤怠の正確性向上による負担軽減(打刻確認と修正)(N=97)

最終報告-01

また、医師の時間外申請に係る労務管理業の負担軽減については、回答した医師の56%が業務負担が軽減すると評価しました。

医師の時間外申請に係る負担軽減(N=97)

最終報告-02

人事労務担当者へのアンケートでは、回答者の60%が医師への打刻周知に係る業務負担が軽減する又は業務負担は変わらないと評価しました。習熟度の高い既存システムと比べても、業務負担が変わらない、軽減するという評価が高いことから、運用が定着することで更なる効果上昇が見込まれると考えられます。

人事労務担当者の労務管理業務の負担軽減(打刻周知に係る負担)(N=10)

最終報告-03

また、時間外項目の集計に係る労務管理業務の負担軽減についても、回答者の50%が業務負担が変わらないと評価しました。導入時に一時的な負担は生じるものの、医師自身の負担軽減につながっており、運用の浸透・人事労務担当者のシステムに対する習熟度が向上することで、さらに業務負担の軽減につながると考えられます。

人事労務担当者の労務管理業務の負担軽減(時間外項目の集計負担)(N=10)

最終報告-04

以上の検証結果を以て、医師及び人事労務担当者の労務管理業務の負担軽減において、Dr. JOY株式会社のビーコン機器を用いた勤怠管理システムの有用性は高いと考えられます。一方で、短期間での円滑なプロダクトの導入について、運用上の課題も確認され、普及に必要な対応事項等も整理されました。

今後、本実証実験における効果検証の結果を活用し、公共調達による導入などを推進してまいります。